鶏むねチップスはなぜ高いのか。1袋25gに、生の鶏むね肉が100g以上入っている話
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展示会でも、商談でも、同じことを言われます。
「高いですね」
25gで900円。100gあたりに直すと3,600円です。スナック菓子の棚に並べたら、たしかに高い。自分でもそう思います。
だから、ごまかさずに書きます。この値段が何でできているのか。
1袋に、生の鶏むね肉が100〜125g入っている
「ムネのクセに。」1袋の中身は25gです。
これを作るのに使う生の鶏むね肉は、100gから125g。
4倍から5倍です。
なぜそんなに減るのか。鶏むね肉は、重さの約75%が水分だからです(文部科学省「日本食品標準成分表」)。残りは25%前後。つまり、水を抜ききったら4分の1になる。これは調理の腕でも設備でもなく、肉の中身の話です。
うちの歩留まりは20〜25%。ほぼ、この理論上限に張りついています。ここを工夫して安くする、という道はありません。
つまり、これはスナックではありません
25gの袋に入っているのは、鶏むね肉100g超から、水だけを抜いたものです。
たんぱく質が1袋23g以上あるのは、そういう理由です。盛っているわけでも、粉を足しているわけでもない。鶏むね肉100g分のたんぱく質が、そのまま残っているだけです。
油では揚げていません。プレーンの原材料は、国産鶏むね肉のみ。ソルトは鶏むね肉と食塩だけです。
そして1袋ずつ、手作業で仕上げています。
安いたんぱく質が欲しいなら、これではありません
正直に言います。
たんぱく質を安く摂りたいだけなら、スーパーで鶏むね肉を買って、自分で焼いてください。それが一番安い。サラダチキンでもいい。どう計算しても、そちらのほうが安く上がります。
「ムネのクセに。」が置き換えているのは、たんぱく質ではありません。
置き換えているのは「我慢」です
自分が減量していたとき、体脂肪率を7.8%くらいまで落としました。
きつかったのは、空腹だけではありません。
みんながラーメンやお菓子を食べているときに、自分だけ我慢すること。あれが一番きつかった。
鶏むね、ブロッコリー、卵。栄養はある。楽しくない。
そのとき欲しかったのは、もう一食分のたんぱく質ではありませんでした。
パリパリしたものを、罪悪感なく噛む時間でした。
だからこの商品が争っている相手は、他のプロテイン食品ではありません。我慢です。
900円をどう見るか
我慢の代わりとして見るなら、900円。
ポテトチップスの代わりとして見るなら、高い。
どちらが正しいかは、読んでいる方がいま置かれている状況によります。押しつけるつもりはありません。
ただ、はじめて職場の同僚に食べてもらったとき、返ってきた言葉がこれでした。
「鶏むね肉だとは思えない」
そう言われるものを作るのに、生肉4〜5倍分と、1袋ずつの手作業がかかっている。値段の中身は、それで全部です。
商品名は、そこから来ています。
胸肉なのに、クセになる。